花の絵は

草花を描くなんて思ったためしがなかった。 そんなものは年寄りが描くもんだと思っていた。 三十過ぎて日本で初めて個展をやった時も、描いて展示してたのは人物画ばかりだった。 本の装丁をやってる友人が鍋島幹夫という詩人を連れて …

金子文子シリーズ その16

「けられても ふんづけられて のされても 花をつかんで 生きながらえる」 ところで、長年にわたって作品の写真を撮ってくれてるカメラマンのマッキーが、上の絵をファインダー越しに覗きながら、ポツリつぶやいた。 「なんか山口百 …

EUREKA

「今度、自分のギャラリーをオープンすることにしたっちゃん」 長年勤めていた老舗の画廊の店じまいの後、しばし充電中だった友達のミッキーがそう話し出した。 「まだ内装の工事中だけど、一度見に来てよ」 近くへ行ったついでに見に …

天体観測

大学2年の春、中国拳法部に身をおきながらも天文観測同好会というのに掛け持ちで入ることにした。 とは言っても、天体のことに興味があったわけではない。 星座だってカシオペア座くらいしかわからないし、月や星へ行ってみたいという …

アジサカコウジ冬個展2018「nana sauvage」のお知らせ

今月末より、新作アクリル画の個展を行うことになりました。 公に展示するのは初めての作品ばかりが、大小おりまぜ60点あまり。 意外と見応えあります。 個展のタイトル「nana sauvage」とは”野生の女”を意味するフラ …

金子文子シリーズ その11

「じょうものと いわれしんじて かったけど これでひとが させるのかしら」 あの、この文子シリーズの絵やタイトルのなんちゃって短歌、何だかいつもちょっぴり殺伐としてますけど、昨今の日本の有様を見るにつけ、悲憤慷慨、切歯扼 …