金子文子シリーズ その16

「けられても ふんづけられて のされても 花をつかんで 生きながらえる」

ところで、長年にわたって作品の写真を撮ってくれてるカメラマンのマッキーが、上の絵をファインダー越しに覗きながら、ポツリつぶやいた。
「なんか山口百恵に似てますね...」

山口百恵について、夫の三浦友和が語ったもので、とっても印象に残っているものがある。
彼の仕事が、家のローンの支払いもままならないほど激減し、不安にかられていたときのことだ。

「そんなときでも、うちの妻は腹が据わっていました。十万円なら十万円の生活、千円なら千円の生活をするだけだ、と言って。いい女房を選んだなとしみじみと感じたのは、あの時期でした」
(『婦人公論』14年11月22日号)