「我らの畑に入るな」(新・西郷その1)

本日からいよいよ新・西郷さんシリーズの開始です。(”いよいよ”ってほどのもんじゃないですけど...)

このシリーズ、通算では64枚目になって、もはや150枚くらいあるので早いとこ個展をせんといかんけど、女の子の絵と違ってあんまし引き取り手がなさそうだし、絵を買ってもらわんことには生活がなりたたんし...と、バンバン進む筆の奥でちょっぴり悶々としてる、そんなシリーズです。(他の人にはどうでもいいことでしょうけど...)

ところで、兄貴分のライターでカメラマンの大野さんが、5月末から1週間ばかり沖縄へ行ってきた。

辺野古を拠点に、初日は土砂の積み出し港である琉球セメント安和桟橋で抗議に参加。
午後からは北部の東村高江へ移動し、ヘリパッド建設に抗議するテントで取材。
翌日は普天間で基地を案内してもらい、3日目は辺野古の海上に出て、カヌー隊と沖縄防衛局・海上保安庁との攻防を見守りつつ、削られ埋め立てられる予定の島を観察...

「思うことはいろいろあるけれど、しかし、伝える力のないことにもやもやしながら写真の整理をしています」とのこと。

かく言う西郷さんシリーズも、この”もやもや”が、描く動機のおっきなひとつになってるぞ。
新聞やテレビって、力はあるのに本当に大切なこと、ちっとも伝えてくんないですものね...

大野金繁/Facebook

「女たちのテロル」

去年の夏のこと「再来週、帰国するけん一緒に飲まん?」とイギリス住んで文章書いてるブレイディのみかこやんからメールがあった。
一年ぶりに再会し、互いの子供ら引き連れてエスニック料理の店に入る。
席に座りビールを注文するやいなや、大好きな金子文子のことを話し出した。

「あたしさー文子ってさ、生きとったら日本を代表する哲学者になっとったと思うっちゃん」

「えー、哲学者っていう感じやなかやろー、もっと自由やろ」

「もちろん、普通にいうような哲学者じゃなかとよ」

「うんうん、そうやねえ...俺は詩人とかになって欲しかったなあ」

「あーん、文子の歌、めちゃめちゃよかもんねー」

「よかよなぁ...」

てな感じで延々としゃべりまくりだ。
なにせ会うの久しぶりなんだから致し方ない。
子供らに「もう、いい加減いいっちゃない...食べようよ」
とたしなめられるまで続いた。

さて、その時、「今度、文子の本書くけん、あんたの絵使わせてよ」って話が出て、それでできたのが上の写真の本だ。

昨日から発売開始だそうです。
言うまでもなく、面白い。
最寄りの書店へ直行だ!