うちの両親の出は二人とも農家であった。
代々、西海を望む狭い土地に米やら野菜、蜜柑なんかを作ってきた。
自分が幼い時分は盆正月以外にも事あるごとに通っていたので、干し草の上で遊んだり、鶏追いかけ回したり、畑にナスやキュウリを取りに行った思い出が強く残っている。
今も親類縁者には農業を営む者が少なからずいる。
なので、帰省した折に「今年はえらい暑かったけん、徳一っちゃんとこの蜜柑はあらかたダメにならしたってばい、大事(おおごと)ばい」とかいった会話になることも多い。
そんなこともあり(そんなことなくったって、日々ここに暮らしてりゃ)、「種子法」がこの4月に廃止になった時には、少なからず怒りがこみ上げてきた。
「え、なんで怒るん?」「種子法廃止ってどゆこと?」という方も多かろうと思う。
なので唐突で申し訳ないが、さる雑誌にのった三橋貴明さん(経世論研究所所長)のインタビュー記事を以下にのっけます。
簡潔で分かりやすいと思ったからです。
けれど、一番大切な要点だけなので、「おお、そうだったのか、めちゃやばいじゃん!」と思ったならば、自力であれこれ調べてみよう!
── 種子法廃止法案はなぜ問題なのですか。
三橋 「モンサント法」だからです。モンサントは世界の遺伝子組み換え(GM)種子市場で90%以上のシェアを誇る独占的な企業です。
GM作物には大きな問題があります。まずは食の安全が脅かされます。アメリカではモンサントのロビー活動の結果、FDA(米医薬食品局)によってGM食品は既存の食品と実質的に同等だから安全だと認められましたが、「実質的」の定義は厳密に評価されていません。GM食品が本当に安全かどうかは分からないのです。
たとえば中国では、共産党上層部は自分たちのための農場「特供(特別供給基地)」を経営して、安全な食べ物を食べています。一方、アメリカでは金持ちは高価で安全な食べ物が食べられますが、貧乏人は安価で粗悪な食べ物しか食べられません。食の安全が崩壊すれば、日本も一部の特権階級しか安全なものを食べられない国になります。
さらに、食糧安全保障が崩壊します。モンサントはGM種子の特許を持っており、収穫物からの種採りを認めていません。モンサントのユーザーの農家は毎年種子を買わなければならず、種採りをすると特許権の侵害として訴えられてしまいます。モンサントは種子の特許によって世界中の食糧を支配しようとしていると言っても過言ではありません。
安倍政権の農業政策には食の安全や食糧安全保障という発想が欠落しているため、最終的に日本は他国に食糧を依存することになります。外国が不作になったらどうするつもりなのでしょうか。
何より問題なのは、生態系そのものが歪められることです。GM作物を栽培すると、花粉が飛散し、在来種と交配してしまいます。たとえばメキシコではGMトウモロコシを栽培していないのに、奇形のトウモロコシが大量発生しました。そこで在来種を調べたところ、確認した全てのトウモロコシがGMトウモロコシの遺伝子を持っており、純粋な在来種は発見できなかったそうです。
仮に日本でGMコメの栽培が始まれば、日本古来の在来種が汚染されてしまい、永遠に失われてしまうでしょう。食の安全や食糧安全保障の問題は取り返しがつきますが、生態系の汚染は取り返しがつかないのです。
種子法廃止法案は、このようなモンサント支配に道を開く「モンサント法」なのです。……
(月刊日本2月号増刊「日本のお米が消える」掲載)
うひゃあーっ。
一企業、一部の人間の営利のために、地球、めちゃくちゃにすんなよな、って話ですよね。
トウモロコシに勝手に触んなよ、小麦に勝手に触んなよ、俺に勝手に触んなよ!
と、いうことで怒り静めに描いた絵が上の娘です。
一見か弱いですが芯は強いです。心にはいつもこの歌が流れてます。