「虎薔薇ヶ原」(新・西郷その13)

えーん、えーん
ちくしょう、ちくしょう...

おい、おまえ、どうした、何を泣いてる?

おお虎よ聞いてくれ
昨晩、寂しかった俺の心の庭に真っ赤な薔薇が咲いた

おお、それは良かったな

ところがだ、その薔薇には鋭く尖った刺が無数についてて
俺の心をブスブスと突き刺すのだ

ああ、そりゃあ痛いな...

うむ、痛い、けど綺麗だ
それが口惜しくて泣いている

そうか、よしよし...

痛い、痛いぞ
撫でるんならどうか爪は立てずにそうっと...

おお、すまん、こうか?

ああ、そうだ、ありがとう

ってな感じの絵です。