年が明けてしばらくした頃、若年の頃からとても世話になっている姉貴分から電話がかかってきた。
遅れた新年会の誘いだと思いきや、自分が関わっているギャラリーで個展をやらないかというものだった。
なんでも、市からコロナ関連の支援金が出るとかで、使用料がただになるらしい。
そうか、ただになるのか...
それは助かるな。
けれど、今年は春と、冬にも個展を予定している。
決められた期間が1週間というのも、短すぎる。
それで最初はあんまし気乗りがしなかった。
けど、「公式には1週間やって、後の1週間は自費でやるってのはどう?」
という案が出た。
それならいい。
やることにした。
さて、どんな絵を展示しよう。
福岡市に「一人一花」運動というのがある。
街を歩いてると、あちこちに立て札が立ち、ステッカーが貼ってある。
福岡市のHPによると、
「市民・企業・行政一人ひとりが、 公園や歩道、会社、自宅など、福岡市のありとあらゆる場所での花づくりを通じて、人のつながりや心を豊かにし、まちの魅力や価値を高める、花によるまちづくりを目指す取り組み、それが『一人一花運動』です。
市民の地元への愛が強い福岡市だからこそ、みんなで力を合わせれば、花の街「フラワーシティ福岡」を創ることができるはずです。
日々の暮らしの中に美しい花と緑があれば、あなたの心もきっと豊かになります。
『一人一花!』『一企業一花壇!』を合言葉に、みんなで福岡を花と緑いっぱいのまちにしていきましょう!」
ということだ。
ということだけど、以前からちょっと気持ちが悪い気がしていた。
この街に暮らしながら「非市民め!」と罵られそうだけど、お上が下々のものに慎ましさを強いている感じすることや、人が自然をコントロールしてる感じがするとこなんかが馴染めなかった。
おそらくは、下衆の勘繰りというものなのだろうけど、巷の広告や政府の言説なんかに出てくる美辞麗句といったものを見るにつけ、身体が強張ってしまう性分なのだから仕方がない。
でも、そんな性分、偏りがあればこそ、人よりちょっとうまく絵を描くことができるのだろうし、その絵を人様に買ってもらってかつがつ生計を立てることができるのだという気もする。
と、そんなこんなで、”善良な市民が一本の花を片手に微笑んでいる姿”より、数限りない色んな花々が、人の手なんか届かないとこで、自分勝手に自由自在に咲き乱れてる姿がいいよなあ...と思った次第だ。
それで、「Rolling Flowers〜百花自転〜」っていう、いささか野暮ったい(”本気と書いてマジ”的な)タイトルをつけ、花の絵ばかりを集めて発表しようということになった。
以前行った個展「花と怒り」に、新たに描いたものを付け加えた60〜70点を展示する予定です。
アジサカコウジ夏個展2022
「ROLLING FLOWERS〜百花自転〜」
日程:2022年7月18日[月曜・祝日]〜7月31日[日曜]
(会期中無休)
時間:10〜19時
場所:アートスペースギャラリーSPAZIO
イタリア会館福岡(810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-18-25 季離宮(中離宮2F)
TEL:092-761-8570
入場無料