アルヒノオト

AZISAKA KOJI — OLD BLOG ARCHIVE

2009 — 2018

OLD BLOG ARCHIVE

アルヒノオト

最近は76番にしている。行きつけのスポーツジムのロッカーのことだ。 初日、そこら辺が空いてたので偶然決めたんだけど、何回か使ってると愛着みたいなものが生じてくる。たまに使用中だったりすると、とても残念な気持ちになる。 76番の正面には66番のロッカーがある。そこをいつも使う男がいる。 青い作業服を着たヤニ臭い男だ。他にたくさん場所あるのに、わざわざおれのそば…

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ララバイ、その1

一日が終わり、寝る時間になったのに、その過ぎつつある日が、「あなた、まだ私としばらく一緒ににいてくれないかしら」と名残を惜しみ離してくれないような時がある。 古いきのうが新しいあしたに嫉妬して、あしたにおれのことを渡すのを拒んでいるのだ。 こっちは眠りたいのに眠ること能わず、なかなか困る。 そんな時は、そんなギザギザハートのきのうをいなし、落ち着かせるために…

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今日の絵(その34)

「ちょいと兄さん、おれの愛車を描いてはくれないかい?」 という連絡があった。 おもしろそうだけど、車の種類にもよるぞ、と思った。 今、作られてるみたいな、どこがバンパーでどれがヘッドライトかわかんないような、のっぺりした車だったあんまし描きたくないよなあ...と思った。 ところがどっこい、あにはからんや、いもうともはからん、 ちちもはからんが、ははははかる、…

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nuimori

お茶を差し出す右手の袖に、小さな花を見つけた。 「あ、その花の刺繍、かっちょよかね」 「え?あ、これ?」 「うん、破けちゃったけん...修繕...」 「え、修繕って...それ自分でやったん?」 「う、うん、そうだけど...」 「ええーっ!すごいやん、そんなんやれたん!」 「えっ、あ、そう?」 「うん、なんか見よう見まねで...」 「いや、いや、いい、いい、絶…

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マンガ傑作選その117

大学4年の頃は古い一軒家に住んでいた。 ある日、同居してたフランス娘がだしぬけに言った。 「来月パリから男友達ふたりがバカンスでやって来るの」 「しばらく家に滞在するみたいなので、よろしくねっ!」 家には来客用の布団がひと組しかなかった。 それで、「ああ、そりゃあ、あとひと組、どっかから借りてこんといかんね」と言うと、 「いいの、彼らカップルだから」と返事を…

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弔花

今月の初め、昔なじみの男がひとり死んでしまった。 なんとかとかかんとかっていう、急性の癌だそうだ。 散歩の途中、スピード出し過ぎてカーブ切り損ねた車にはねられたみたい、唐突に逝ってしまった。 最初に会ったのは、小3か小4の頃だ。 どこか都会の方から転校してきたそいつは、はじめて会ったとき、ベージュの半ズボンを穿いていた。 ひとむかし前の小坊なので、脳みそのど…

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