プッチィ(その1)

4、5年前、縁あって別府で個展をしていたら、50歳半ばくらいの見知らぬ紳士がニコニコしながら会場に入ってきた。
スタスタ跳ねるようにこちらに近づいてきたかと思うと両の手を差し出し、キラキラ眼でこう言った。
「アジサカさん、ププのファンです!」

ププというのはずいぶんと前、福岡の地方誌に連載してた漫画の主人公の名だ。
彼は当時この漫画がたいそう気に入って、単行本をまとめ買いして友人知人に配って回るほどだったという。
ものすごーく、ありがたい話だ。
恐縮して聞いてると、彼は梱包材の”プチプチ”を作ってるとこの社長さんで、その別宅が個展会場のすぐ近所にあるという。
通りすがりに見てみたら聞き覚えのある名が掲げてあるので、「もしや」と思って飛び込んできたのだそうだ。

その後、埼玉住まいの彼が九州へ出張に来た際などに一緒に飲み食いするようになった。
そのうち、彼の会社の社内報でしばらく漫画を描くことになった。

上に掲げたのはその第一回目です。
気が向いたら引き続きこの場にアップしていこうと思います。